「黄金比・白銀比」~人に伝わるポートフォリオVOL.16
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人間には美しいと感じる形があります。
調和を感じる図形です。
「安定した」と言い換えることもありますが、デザイナーにとっては「気持ちのいい形」とよく表現されます。
まず思い浮かぶ「気持ちのいい形」は、上下左右対称の図形。
正方形、円形、十字、六角形。あるいは上下のみ、左右のみに対称の図形も加えれば、正三角形、星形などです。
そしてもうひとつ、「黄金比」と「白銀比」が有名です。
○「黄金比」
DNA螺旋の一巻きの長さと直系の比率、ヒマワリの種の螺旋配列やオウム貝の螺旋の比率。
これらに共通すると言われているのが下記「黄金比」です。
この形は遥か昔から美しいとされていて、
現在でもアメリカのメールサイズといわれる紙の規格は「黄金比」でつくられています。
その他、タバコの箱、名刺などもこの形です。
人間の美醜にもこの比率は大きく関わっています。
かの有名なモナリザやパルテノン宮殿などの美術品もこの比率を利用してつくられています。
○「白銀比」
「黄金比」に対して「白銀比」は、日本で古来から美しいとされている形になります。
この形は日本の紙の規格でおなじみです。A4、B4などのことです。
法隆寺の建立にあたっては、この比率が利用されています。
現代ならば「キティちゃん」などのキャラクターも「白銀比」に近いものが多い。
「黄金比」より「白銀比」の方が正方形に近くて、寸詰まり、より「カワイイ」に近い形なのかもしれません。
ちなみに日本人の顔の比率として多いのも「白銀比」だという説もあり、
美意識というのは、そもそも肉体の感覚から切り離せないものだということがわかります。
人間は無意識であれ、意識的であれ、身体や自然を物差しとしてきたということで、
優れた機能と優れた形の間の関係性を考えてきたということです。
美しいと感じる根拠は、より完全なものを求める遺伝子上の欲求に根ざしているのかもしれません。
○されどデザインは自由
美しいものは安定感がありますし、安心はしますが、引っかからないということがあります。
つまり印象が残りにくく、また冷たい感じもします。
心が動いたり、感情が露わになったりしたときは、
身体の完全な比率は崩れるということがあるのかもしれません。
デザインは原則的には自由なものであり、
あまり「黄金比」「白銀比」にこだわりすぎないように注意してください。
デザインのテイストや目的に合わせて使い分けることが大切です。
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