人材採用においてブレない会社とは~採用を考える(書物から抜粋)VOL.18(最終回)

[人材採用においてブレない会社とは]
99

 

 

○求人募集は等身大の会社の考えを伝える場である

「書物から採用を考える」の最終回です。
あなたの会社も今までここで書いてきた求人募集の方法を活用すれば、応募者は会社で自分が働くイメージを明確に持って応募してくるはずです。これは非常によいことですが、もし求人募集時に伝えた内容と、実際の仕事の中身が違ったら、応募者はどう思うでしょうか? そうです。「あれ?全然違うよこの会社」となりますよね。そうなれば、応募者は危険を感じ、選考辞退をするのです。
求人募集時に応募者が感じた印象と、実際に会社に来てみて感じた印象にギャップがあれば、選考中の辞退や内定辞退が起こります。さらに、選考中と入社後で応募者が感じた印象にギャップがあれば、入社後、すぐに退職します。
選考中の辞退が多い会社や、入社後の退職が多い会社は気をつけなければいけないこと。それが、
・外部に発信しているメッセージと社内の実情のズレ
・社長と社員の意識のズレ
などです。選考中の辞退や内定辞退、入社後すぐの退職が多い会社に共通している点はこの「ギャップ」なのです。
そして、そういった会社の求人募集や選考時に応募者に伝えている説明内容などを、働いている社員が聞くと「全然違うよ。うそばっかり」と感じてしまいます。試しに求人ページを社員に見せてみてください。そして、率直な感想を聞いてみましょう。もし、外部に発信しているメッセージが、経営者の本音だとすれば、それを社員に何度も伝えて理解してもらう必要があります。そうしなければ、採用された人が入社した後に、「だまされた」と思うのです。
会社のいい面ばかりを見せて、悪いところをひた隠しにし、応募者をだまして入社させても、結局すぐに退職するので自社の首を絞めるだけです。そもそもそういった採用方法は詐欺ですからね。
そうならないためにも、外部にメッセージを発信するときには、同時に社内の社員の意識統一にも取り組みましょう。
片方にだけメッセージを発信しても、ギャップが生まれるだけですから。
風通しがいいと求人募集に書いたのなら、社員も共感するようにしなければいけませんし、提案を受け入れる風土があると書いたなら、同じく社員が提案できる風土がなければいけません。
新しく人を募集するにしても、その募集の理由をしっかりと伝えましょう。応募者は「すぐに人が辞める会社なのかな?」と常に疑っています。会社に関する情報を徹底的に提供し、そういった不安を解消してあげて、自分の居場所がそこにあると思ってもらうのが、求人募集の本当の目的です。
応募者は賢く、うそはすぐに見抜きます。キレイごとを書いても意味がありません。印象にのこりません。しかし正直に自分の会社にまだ足りないところを書いたりすると、それは応募者の心に伝わります。求人募集は究極的には、等身大の会社をあますことなく伝えることです。それにより、本当に会社に合った人材と巡り会うことができるのです。
ブレない軸を会社と経営者、社員が身につけて、それを効果的に発信することでカッコイイ会社になります。どんな会社でも、自社を見つめ直すと必ずいい点や誇りに思えることが出てきます。そういったものを見つけたら、ぜひ大切にしてください。そういった軸を大切にするのが「永続する会社」の姿です。

--------------------------

出典:稲田行徳『1週間で会社が変わる!採用の教科書1』
ビジネス・ベストセラー出版株式会社2012年

さて、FC-Linkは企業の皆さまからの採用に関する相談に応じています。
「FC-Linkへ求人を掲載したのに数名しか応募が来ない」等、まずはメールでお気軽にご相談下さい。(FC-Linkのサービスに含まれていますので、もちろんすべて無料です)

contact@employ-ment.jp