「デザインの具体化」~人に伝わるポートフォリオVOL.7

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デザインの具体化

 

 

デザイン画が完成したらそれを形にしていきます。

形にするためにはパターン(型紙)を作り、素材を用意し、裁断、縫製という過程を経なければなりません。

 

○素材を用意する、素材を作る

形を作るための重要なポイントの一つが素材選びです。

デザイン画の段階では素材をイメージし、パターン作成の際には具体的に素材を決める必要があります。

なぜならば、パターンは素材が持つ特徴、たとえば薄手、厚手、軽い、重い、しなやか、硬い、

などといった点を考慮して作るからです。

どの素材だと思いどおりのイメージを表現できるのか、

デザイン画を見ながら、表現したい形やシルエットにふさわしい素材を選びます。

イメージどおりの素材を選べて美しいシルエットが出せたとしても、

その後の縫製が難しい素材で、綺麗に仕上がらなかったという

場合があるので、よく吟味する必要があります。

まずは自分の感覚を頼りに素材を選びますが、失敗も貴重な経験です。

すべての経験はむだにはなりません。

また現在、オリジナル素材の開発は随分と身近になっています。

挑戦するのも良いと思います。

仕上がった素材だけでなく、その試行錯誤のプロセスが、ポートフォリオの内容を豊かにします。

途中経過は写真に撮るなどして、しっかりと記録しておいてください。

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○パターンメーキングで形を描く

デザイン画を見ながら絵を描くように形を起こします。

平面裁断がふさわしいのか、それとも立体裁断かは、表現したい形によって決まります。

やみくもに立体裁断を選ぶ必要はありません。形によっては平面のほうが早く仕上がる場合もあります。

たとえダミーで制作したものから、立体感のデザイン検証と確認ができていても、

いざパターンに置き換えたら、やはり新たな問題点も見えてくるものです。

肝心なことは「自分がいちばん表現したいことは何か」を常に自分自身に問いかける気持ちを忘れないことです。

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○トワルで検証する

パターンができたら次はトワル制作とトワルチェックです。

要は作品を制作する前にシーチングでダミーを作り、それをボデイに着せて、

イメージどおりに仕上がっているかの検討をするわけです。

最終的な作品制作の前にデザイナーは客観的な判断をする必要があります。

客観的に見るいちばんの方法が、トワルチェックというわけです。

最後にシーチングにつけ加えられた修正箇所をパターンに転記して、終了となります。

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○付属品を吟味する

形にするための最後の検討項目、それは付属品選びです。

フォルムやシルエットを表現するための芯地、肩パッドから、

装飾性を引き立たせるボタン、レース、リボン、ビーズ、ファーなど、選択対象は広範囲に及びます。

一般的に装飾性のあるレース、ビーズなどの付属品は作業の早い段階で選ばれることが多くなります。

そしてボタンは最後に選ばれる傾向にあります。

しかしながらボタンは、素材の選択、大きさ、つける個数によって、作品が魅力的になるかどうかを大きく左右します。

プロのデザイナーは特に慎重にボタンを扱います。細部を怠ることにより、

商品の価値を下げてしまうことを身にしみて感じているからです。

付属品選びは作品の最終的な雰囲気を決定づける大事な役割を担いますので、

自分が描くデザインイメージに沿っているかどうかをよく吟味して選びましょう。

仮にデザイン、素材選定、パターンメーキングと、イメージどおりに作業が進んだとしても、

最後の付属品選びを怠ると台なしになります。

もし自分の持つイメージに合うものがなければ、作ってしまうのも良いかもしれません。

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次回は、完成した作品の検証へと進みますのでお楽しみに。

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