「版面・マージンの基本と設計方法」~人に伝わるポートフォリオVOL.10
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さて、今回から紙面イメージを決定する配置設計の基礎知識をお伝えしていきます。
ポートフォリオを制作する際は、目的を明確にしたうえで、
その目的を達成するためのレイアウト(配置設計)を検討します。
紙面イメージはレイアウトによって大きく左右するためとても重要です。
その第一歩は版面とマージンの設定です。
○版面とマージンを設定しよう
実際のレイアウト作業に入る前に必ず決めておかなければならないことがあります。
それは版面の設定です。
版面とは「文字情報や写真、図版などを配置できる領域」です。
「レイアウトスペース」とも呼ばれます。
一方、これらの要素を配置してはならない領域のことを「マージン」や「余白」といいます。
版面は、配置されるデザイン要素をまとめるうえで重要な役割を担っています。
また、版面を決めると、レイアウトの範囲が強調されるため、情報が伝わりやすくなります。
○紙面イメージは版面率で大きく変わる
版面の大きさのことを「版面率」といい、版面が大きい場合を「版面率が高い」、
版面が小さい場合を「版面率が低い」といいます。
版面の大きさは、デザインの印象を左右します。
まずは、これから制作する紙面や資料が次のどちらのタイプであるのかを検討します。
版面率が高い紙面では、たくさんの情報を掲載できるため、
読み手に「にぎやか」や「楽しい」といった印象を与えます。
商品カタログなどの情報量の多い紙面に適しているといえます。
逆に版面率が低い紙面では、マージンが広くなるため、
「静か」や「落ち着いた」、「高級感」などの印象を読み手に与えます。
高級感のあるブランドの広告や、落ち着いた紙面に適しているといえます。
版面率が高い
版面率が低い
○マージンは上下および左右で揃える
マージンの幅は、紙面の四辺で揃える必要はありません。
上下のマージンは少なめに設定し、左右は多めに設定する、といった手法も頻繁に使用します。
また、基本的には上下のマージン、および左右のマージンは揃えることをお勧めします。
特に左右のマージンが異なっていると、安定感のない仕上がりになってしまうため注意してください。
ただし、マージンが異なることによる安定感の低下を活用する形で、
意図的に四辺のマージンをバラバラに設定し、躍動感のあるデザインを制作する手法もあります。
まずは基本を実践してみて、そのうえで、いろいろなマージンを設定してみてください。
版面やマージンの設定次第で、仕上がりのイメージが大きく変わることを確認できると思います。
左右のマージンが異なる
左右のマージンが同じ
○マージン上に要素を配置するテクニック
基本的にはマージン上には紙面の構成要素は配置しません。
しかし、紙面に変化をつけるために、意図的にイラストや写真などの図版を配置するテクニックもあります。
紙面に明確なルールが存在し、かつそれが守られていると、
デザインに均衡が生まれるため、安定感のある美しい仕上がりになります。
しかし、制作物の目的によっては、安定感よりも躍動感などの「動」のイメージが必要な場合もあります。
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